令和5年度草の根無償資金協力「トリアノン糖尿病総合ケアセンター医療機材・設備改善計画」引渡式

2024年12月16日、トリアノンにおいて、令和5年度の草の根・人間の安全保障無償資金協力「トリアノン糖尿病総合ケアセンター医療機材・設備改善計画」の引渡式が執り行われ、菅大使及びハーディ「健康向上のための会」代表をはじめ関係者が多数出席しました。
 
モーリシャス政府の調査（2021年）によると、当国では25歳から74歳の人口のうち約20％が糖尿病を罹患、加えて約16％は糖尿病予備軍であり、糖尿病有病率が世界で最も高い国の一つです。糖尿病は様々な合併症を引き起こす可能性があり、特に早期かつ適切な治療がなければ重症化も免れず、下肢の切断につながるケースも多くあります。下肢切断は年間約450件、このうち約85％は未然に予防可能とも言われています。
 
1988年に設立されたNGO「健康向上のための会」は、トリアノン地区およびブラックリバー地区において運営する糖尿病総合ケアセンターやキャラバン・バスによる地域訪問を通じで、2型糖尿病患者への診察や検査、フットケアなどの合併症・予防治療、リハビリといった医療サービスに加え、栄養管理ワークショップや血糖値管理講座といった糖尿病に関する知識の普及活動も行っています。これまで日本政府は同NGOに対し、2009年および2012年に草の根無償資金協力2件を通じて糖尿病総合ケアセンターの建設等を支援してきました。
 
今回「トリアノン糖尿病総合ケアセンター医療機材・設備改善計画」を通じた供与額57,741ユーロ（約260万ルピー）の資金協力により、以下の機材等が新たに整備されました。
・可動式超音波機器（1台）：主に心血管疾患の早期発見や細小血管合併症の評価に貢献
・足関節上腕血圧比検査機器（2台）：主に末梢動脈疾患の早期発見に貢献
・乗降場所：下肢を治療中の患者を含め全ての利用者がより安全に同センターを利用するための設備
 
この案件を通して、同NGOはより多くの人々に精確な検査を行えるようになり、超音波機器を使用した検査は最大約480件/年、足関節上腕血圧比検査機器を用いた検査は最大約1,200件/年、実施可能となります。また、乗降場所の整備によって高齢者、足の不自由な方、車いす利用者を含め年間のべ約12,000人がアクセスしやすくなり、糖尿病・合併症の早期発見および早期治療に貢献することが期待されます。
 
モーリシャス国営放送局による報道（’28:40～’31:15）：
https://mbcradio.tv/article/le-journal-t%C3%A9l%C3%A9vis%C3%A9-d%C3%A9cembre-16-2024